デザインの現場

 徳島元町こだわりマルシェさん(旧太子屋新町店さん)がテイクアウトコーナーを新規に作ってリニューアルオープン、改装にあたり厨房の設計や外装とロゴマークのデザインを担当させていただきました。 ロゴマークとキャラクターのデザインを依頼された時、どんなのをデザインしよう!というワクワク感と、素敵なロゴが生まれなかったらどうしよう~。。という二つの相反する気持ちでいっぱいでした。ゼロからデザインを生み出すって、水物ですから毎回同じ過程を経ます。

 天才じゃないから、ファーストイメージを作り、何度も何度もスケッチを重ねます。こういう仕事は、自分達が、これだ!って思うまで続きます。早い時と遅い時とそれは様々、沢ぱんのロゴマークなんて、一番時間かかったんじゃないかな?おそらく100枚はスケッチ描いてたかも~!!笑
 こだわりマルシェさんの場合、店主さんから改装後はこんなお店にしたい!という話をヒントにファーストイメージを作っていきました。

「こだわりの食材の店頭販売の他、新しいテイクアウトカウンターでは出来立てのお惣菜を販売する」とのこと。だったら美味しい食べ物を並べたロゴにしたい!と思ったけれど、それならどこかで見たことあるので、オリジナリティーに欠ける。
 そこでひらめいたのが、店主さんの「お惣菜」というキーワードでした。一つの大きな「どんぶり」の中に並べてみたら、求心力が出るんじゃないかな!と思ったのです!

 でもそこからがスタートです。ファーストイメージのスケッチを描いて、そこから何度も何度もスケッチを重ねました。
 食べ物を並べてみて、バランスを取ります。それぞれの食材を、一つ一つスタディーしていきます。カボチャはごつごつと、迫力のある絵にしたい。ワカメの葉は意外ととんがっていました。大根の葉は丸くてだんだんと大きくなり、芯は大根の根元からしっかりと生えています。魚は色々と描いてみたけど、あんまり可愛くないから、少しアレンジして可愛くしてみよう!隙間は、隙間の形状にあった食べ物で埋めて~。。ただ実物を写生するだけの絵は具象であり、デザインではなく絵です。デザインの難しいところは、絵に作風というか個性を注入して、デザイン画に洗練させることだと思います。
モデルの特徴は残しつつ抽象化していく作業です。

 スタディを始めると、ずっと気になり手を動かします。朝目が覚めると、パジャマのままでも鉛筆を動かします。笑 そうやってスケッチを重ねて、ある日、「これだ!」という日がきて完成!!
何よりも店主の方がとても気に入って下さり、ホッと胸をなでおろしました。

2020.01.03